水呑の家 House in Minomi

敷地の選定からの相談でした。複数ある候補地の中から、分譲地の奥まったところにある、南北に長さのある敷地を選ぶことに。南北に細長いことで、建物の前に空きスペースが取れ、光を取り入れやすく、 プライバシーが保ちやすいことが、選定にあたっての大きなポイントでした。
建築主の方の要望としては、温かい感じの雰囲気で、1階とロフトのような2階が繋がりあう雰囲気にしたい、ピアノ教室をしたい、庭づくりをしたい、太陽光パネルを設置したい、という要望でした。 そのような要望から、敷地正面右(南東)から、斜め左上(北西)に向かって屋根が上がっていく家を提案しました。 要望にあった太陽光パネル設置条件から、真っすぐに南面に屋根面を向けると、室内に日差しは入りにくく暗くなってしまいます。屋根勾配を45度平面的に振ることで、室内が明るくなり、 なおかつ建物正面の窓が、南西側からの日差しを取り入れやすくなります。この土地は、西側に山があるため、夕方に暗くなるのが早い。そのため、南西方向の窓を大きく取ることで、 夕方の日差しや光を多く取り入れることができるのです。
室内は、斜めになった屋根を、そのまま室内の構成とデザインに生かしています。 南面には、和室とリビングダイニングがあり、建物北側には洗面浴室などの水回りと、ピアノ教室、2階の3つの個室を配置しました。徐々に高くなっていく屋根勾配が、 そのままリビングダイニングの吹き抜けとなり、自然と2階の個室と空間的に繋がることになるのです。全体には、個室群の高さと面積を抑え、コンパクトにまとめることで、 同程度の予算ボリュームの住宅より、LDKと和室の空間的なボリュームを、広がりある贅沢な空間にすることが出来ました。
1階LDKと和室は、お酒好きなご夫婦の友人たちが、沢山集まって楽しめるような雰囲気に。ピアノ教室は、玄関から直接アクセスできる動線としています。2階は寝室、 子供室2つが、リビングダイニングスペースに対して、室内窓で繋がっています。室内窓は吹き抜けを通じて通気もできるので、室内に高低差を生かした風の流れも生み出しています。

水呑の家
用途 専用住宅
家族構成 夫婦+子供1人
場所 広島県福山市水呑町
敷地面積 330.34m²(99.93坪)
建築面積 70.44m²(21.31坪)
延床面積 92.43m²(27.96坪)
構造 木造
階数 地上2階
竣工年 2016年
写真撮影 藤原・室建築設計事務所

Blessed with an abundance of natural scenery, this site features a height difference of nearly 3.5m. By creating a difference of elevation within the house, we came up with an architectural design that showcases the dramatic changes in perspective and scenery unique to the site, depending on the location of the viewer.
Large windows were installed in the living room, creating an interior layout that allows the inhabitants to enjoy views of the surrounding landscape from numerous viewpoints within the house, thanks to the stairwell within this living space.

House in Minomi
Use residence
Family a couple with a child
Location Hiroshima Pref.
Site Area 330.34 sqmt
Building Area 70.44 sqmt
Total Floor Area 92.43 sqmt
Structure wooden
Stories 2
Year 2016
Photographer FujiwaraMuro Architects